関連の無い連続性

一人ぽつんと机に向かい、座っていると、目の前に黒いハットを被ったスーツ姿の英国紳士がいた。彼はにっこりとしながら、何かを伝えてきた。ところが、私は全く英語を使いこなすことが出来ないため、彼の言っていることはさっぱり分からなかった。只、彼は…

私は正常、あなたは?

白い紙切れがローテーブルの真ん中に頼り無げに置かれている。それには「進級認定願」とあっさりした文字が。 俺の目の前には色白の体に黒いワンピースを着た強気な目線の少女。彼女と向かい合うようにしてソファに座る。距離にして、60cmか。しかし、初…

気が付けば裏返る関係性

But I... I wanna say something to the audience... You'd gone without my noticing it. You'd go without my noticing it. You would go with my noticing it. You would go with my nother thing. You would go with my mother thin.With the passage of…

消えなくてはならないものと消えてはなくならないもの

前略 ようやく暗い闇から復活しました。 人間はなかなか死なないものですね。 私が最近していることと言えば、空の青さを確認することくらいしかありません。本を読むのも、気力が無く、点滴が逆流してしまうので、避けています。こうやって、手紙を書くのに…

落ちてくる偶然に見られる癒しきれない変容

気が付くと、バスタブに秋岡と2人。 「何! 何でここに居るの?」 彼は呆れた目で私を見つめる。 「お前が一緒に入ろうって言ったんじゃないか」 「うわお。そんなの知らないよ!」 私は、ざばんと勢いよく湯から立ち上がる。秋岡は上目遣いでじっと見てい…

Will you shut up?

We discussed the lies beneath a cliff.You must consider other people feelings, especially me. I ought to have betray you.However my massage was on the tip of my tongue, you were lapping me up.I won't care what you say. You won't care what I…

favorite notes

口の中で冷たいピアノの音が転がった。すぐに現実を感じ取ろうと私はすうっと息を吸い込む。目の前のあなたの吐息は温かい。 音を奏でるあなたは私なんかにお構いなく、只ピアノに指を滑らせて。私はあなたに近付くけれども、あなたの視線は通り過ぎて。 私…

毎日暮らしていく中で考えていたこと

A girl was standing behind a red postbox. She made me melancholy then. So I dropped the letter into it without an addressee. If I were to tell you the whole truth, you would be mazed. A boy was walking across the blue bridge. He made me no…

自分と世界を取り戻すためにしなければならないこと

彼女がゆっくりとカップを持ち上げた。そして、静かにそのカップへと少し青ざめた唇をつける。伏せた目からは俺を受け入れているのか、拒絶しているのか分からない。 「また、やっちゃった……」 彼女の手首には痛々しく包帯が巻かれていた。 「大丈夫?」 俺…

people can use them in many places

すべり台から宙を見た。世界がゆっくりと進んでいて、シンプルに空があって土があって、地に足が付かない浮付いた状態とかそういうのではなく、確かに地球は自ら廻っていた。地球を体感するというのは、いつもとは、がらりと違った立ち位置を味わうのと同じ…

知りたいことと知らないことは目の前で融和される

放課後、帰宅しようと廊下を歩いている時、理科準備室から物音がした。きっと、誰かいるのだろうと気にも留めず、そのまま通り過ぎようとしたところをいきなり俺は理科室へ引きずり込まれる。俺の腕を掴んだのは、生物講師だった。 「ねえ、見てみて顕微鏡!…

認識ラベル

目が覚めたら、そこは教室だった。夕日が顔を照らし眩しかった。どうやら、机に伏せたまま寝ていたようで、肘やら首やらが痛い。私は椅子から立ち上がると首を回し、背伸びをして凝りを解す。 その時、後ろの方から声がした。 「三澤、プリント出来上がった…

幸福を促進できる?

多分、酒に酔っているのだと思う。体が軽くてふわふわしていて、とても幸せな心地だ。今なら、どんな頼み事をされても素直に引き受けてしまいそうなくらい、機嫌が良かった。 私はベッドの上に居て、ごろごろ寝転がり、船の上で寝ているような感覚を味わって…

音に揺らいで響いて

ドアを開けると水の滴る彼が居た。「吃驚した」 「いや、俺の家だから居るに決まっているだろう? 吃驚されても困る」 「そうじゃなくて、いきなり裸だから」 「裸じゃない。タオル巻いてる。どうぞ、いらっしゃいませ」 「うん」 私は下半身にタオルを巻い…

賞味期限はおこのみで

気付くのが遅かった。当たり前だけれども、私には見えない世界があって、私に構わず日々変化している。私だけがそれに気付かずに、ぽつんと残されていた。もっと早くに消えてしまっていれば、傷付かなくていいこともあった。そして、何も知らないままだった…

記憶の個室と昇華の問題

目の前の色は鮮やかで、掴み取れるほど意識していられるのに、少し過ぎて去ってしまうと、もうあやふやで霧に傾いている。 俺は文字をひたすら綴っていた手を休め、ふとカレンダーを見た。既に9月も終わりだった。 あっという間に暑い季節も過ぎ行き、秋が…

重大な伝え違いとその違和感

きっとどんなに善良な人であろうとも、この青い空の中の光を手に入れることは出来なくて、そして、善良な人でなければ、深い沼に飲み込まれていくのだろう。 僕たちは海風を感じながら、砂浜にぼんやりと座り込む。 「僕は君のことを好きだから、絶対にひど…

ランチタイムに合うのは孤独という虚栄心の塊ではない筈だ

「このサンドウィッチ美味しいんだけれど、食べる?」 村田さんは紙袋からそれを取り出す。私は首をか弱く横に振る。そして、無理矢理渡された缶コーヒーを一口だけ飲む。 「美味しいのになあ。おすすめなのよ」 彼女は幸せそうにサンドウィッチを頬張る。 …

学習の顛末

「生徒がね、小説を書いてきたの」 彼女は手元のコップを見つめながら言う。 「ふうん。中学生なのにやるなあ」 俺はパソコンのキーを打ちながら、のんびりと答える。 「そうじゃないのよ。書いてきたのが普通の小説じゃなくて、エロ小説なのよ」 「へえ。凄…

他人の為に自分の為に

目の前の真っ直ぐな道は、一体どこまで続いているのだろう。きれいに塗装されたアスファルト。このきれいな道を泥んこ靴でぐちゃぐちゃに汚したら、さぞかし気持ち良いだろうなあ。 カフェから見る景色には飽きたので、ふと、目の前の彼に目線を移す。彼は今…

「予習中? 少しお邪魔して良い?」 私は英文学のテキストから顔を上げ、右手にシャープペンシルを持ったまま、ぽかんと声の主を見つめる。見覚えのある顔。同じ講義を受けている人。背中がピンとしていて首から肩のラインが素敵な人。でも、今まで話したこ…

keepin’ a secret in a professor office

「死ぬことを考えれば、処分しなくてはいけないと思っているんです」 一瞬、何の話をしているのだろうと、口を噤んでしまった。先生、どういうこと? 「あと五年後にこの世から消えてしまえば、これらの本もこのまま置いておくわけにはいかないでしょう」 あ…

property in café au lait

「それで?」 俺は無表情のまま、煙草の火を消した。 「だから、結局は彼のこと諦めきれないのよ」 もう一時間近くも、彼女の話が続いている。それでも俺は、彼女が言わんとすることが分からない。先刻から同じようなことばかりリピートして、話が先へと進ま…

最後の晩餐といつかの食欲

人がモノを喰らう姿は何と醜いことか。 食べるという行為そのものが人間というより、動物そのものの本能を示しているように思えてしまい、俺は吐き気を感じた。貪欲に生きるということが穢れたのものに感じられてしまう。 俺は他人と食事をするのが嫌いであ…

自殺論

「死にたい…」 夜道を二人で歩いていると、ヤツは俺にそう言った。 その時、地面にのびているヤツの影が、薄く消えかかっているように感じられたのは気のせいだろうか。「おいおい、冗談だろ。本当は、死のうなんてこれっぽっちも思ってないだろ。その証拠に…